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湖の生態区分と生きものたちの関係
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湖の生態区分と生きものたちの関係

湖は一般に、水草の生える沿岸部と、それより沖合の沖部に大きく分けることができます。沿岸部は水草の種類によって、さらに抽水植物帯、浮葉植物帯、沈水植物帯に区分されます。(図2)
これら沿岸部の水草帯は、魚の産卵場所であったり、小魚のかくれ場所であったり、また湖水中のリンや窒素を吸収してくれる場所でもあり、湖の環境を安定させるために、なくてはならない存在と考えられています。通常、水深4〜5メートルくらいまでが沿岸部なので、大沼以外、とくに蓴菜(じゅんさい)沼では水草の繁茂する夏から秋にかけて、沿岸部が湖の大部分を占めます。
1970年以前の調査報告では、3湖沼ともに水草は4メートル以浅の沿岸部に高密度で繁茂しており、とくにヨシ、コウホネ、スイレンが密生していました。その外側では水面に浮葉性のヒシ、ヒルムシロ、沈水性のセキショウモ、センニンモ、イバラモが多かったです。しかし、最近の調査ではコウホネとヨシ以外の水草はほとんど見られず、大雨時の泥水や発電のための取水調節による水位変動の影響が懸念されています。

図2に、大沼沖部にすむ主な生きものとそれらの関係を示しました。
例年、4月に湖水が解氷して水温が上昇しはじめると、植物プランクトンが増加しはじめ、これにつづいて動物プランクトンも急激に増殖します。
これは、植物プランクトンの成長が日照と水温に依存しており、動物プランクトンは植物プランクトンを食べることによって成長し、増殖するからにほかなりません。
春に増加する動物プランクトンは、ゾウミジンコ、カワリゾウミジンコ、ケブカヒゲナガケンミジンコ(以後、ケンミジンコ)の3種だが、これらはちょうどそのころ孵化するワカサギやウキゴリの稚魚に食べられるため、6月中旬以後は急激に減少します。

動物プランクトン


ゾウミジンコ | カワリゾウミジンコ | ケブカヒゲナガケンミジンコ


カメノコワムシ | ハネウデワムシ | フクロワムシ

植物プランクトン


ホシガタケイソウ | オビケイソウ

ワカサギは、成魚となってからもミジンコを食べるので、夏から秋にかけても、これらのミジンコは低い密度でしか生存できませんが、ケンミジンコだけは夏に若干増加します。ケンミジンコははじめのうち、ワカサギに食べられるいっぽうですが、生き残ったものは、ワカサギに見つかりやすい昼のあいだは暗い湖の底近くでかくれていて、夜だけ上昇して飼を食べるようになります。
こうして、夏以降のケンミジンコは食べられにくくなるため、ふたたび増加傾向に転じますが、夜しか餌をとれないので、春のように増加することはできません。食う食われるの関係、つまり食物連鎖のなかにあって、ミジンコたちは魚に食われる立場にありますが、いつも食べられているわけではなく、ちゃんと逃げのぴる方法を知っているのです。

ワカサギ漁は、大沼でもっとも重要な漁業であり、毎年5月に人工孵化放流が行われ、9月下旬に解禁となり、湖が結氷するまで続けられます。湖にはワカサギを食べるアメマスが生息していますが、おそらくこれらが食べる量より人間が漁獲する量の方がケタ違いに多く、漁獲量は例年26〜28トン(このうち、大沼での漁獲高が8割程度を占める)で安定しています。
しかし、漁獲尾数と漁獲される魚体の大きさは年によって異なり、漁獲尾数が多い年は小さい魚がとれ、少ない年は大きい魚がとれます。これは、春に増殖するミジンコの量に関係があります。ミジンコが多い年は漁獲尾数が多いですが、魚体は小さい。ミジンコが少ないと漁獲尾数は少なくなり、魚体が大きくなります。孵化直後に餌が豊富にあると、初期死亡が減って、生き残りが増えるので、夏以降は餌が少なくなって、成長は悪くなります。逆に孵化直後に餌が少ないと、生き残りが少なくなる分、餌が余るので成長がよくなるものと考えられます。
このように、湖にすむ生物群集の構造は、食う者の影響だけでなく、食われる、つまり餌となる者の都合によっても変化しますが、大沼ではワカサギによる捕食が湖沖部生態系の群集構造を決定しているといって過言ではありません。

参考文献:北海道の湖沼 北海道公害防止研究所

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