~火山の危険信号を見逃すな~

北海道駒ヶ岳(以下駒ヶ岳)は、国定公園にも指定され、美しい景観で有名です。しかし駒ヶ岳は激しい噴火をする活火山としても知られています。

駒ヶ岳はおおよそ3万年以上前に溶岩や火砕流などを噴出して以来、噴火を繰り返して現在の姿となりました。頂上部には北側の砂原岳、西側の剣ヶ峰、および 南側の隅田盛があります。1640年の噴火では南と東に相次いで火山体の一部が崩れ落ち、南山麓では低地を埋めて大沼や小沼とそれ等の中に点在する島々が できました。また東に崩れ落ちた山体は内浦湾に達し、大津波を起こしました。この噴火で山頂部には馬蹄形カルデラと呼ばれる凹地ができました。
しかしその後の3回の軽石噴火によって凹地はほとんど埋められ、現在は直径約2kmの火口原となり、かろうじて凹地の上部のピークだけが砂原岳などとして残っています。

火口原内には中央に1929年の火口(昭和4年火口)があり、そのほかにも複数の火口があります。火口原を横断して延長約1.6kmの割れ目は1942年 の噴火で生じました。また1996年3月の噴火の際には昭和4年火口南側にほぼ南北に約200m、幅1~2mの新しい割れ目が形成されました。これらのう ちいくつかの火口では現在弱い噴気活動を行っています。

噴火の前触れとして、また噴火に伴って火山では次のような異常現象が起こることがあります。

火山の危険信号を見逃すな

●地割れ
マグマの上昇に伴って山体の一部が変形することがあります。地面にひび割れができたり、段差を生じたりします。

●火山性地震
地下のマグマの動きに伴って火山とその周辺の限られたところで地震が起こることがあります。

●落石
火山性地震の震動で、不安定だった岩が崩れ落ちてくることがあります。

●噴気異常
マグマが上昇してくるとマグマ中から火山ガスが先に出てくるので、新しく火山ガスが出る場所ができたり、従来から出ていたガスの量が急増することがあります。

●植物が枯れる
マグマの上昇によって地中から伝わってくる熱が増すので、植物が枯れることがあります。

●温泉や湧水の異変
温泉の温度や湧出量が急に変化したり、新たに温泉が出現したりすることがあります。

●海水・湖水・河川水の異常
変色したり濁ったりすることがあります。また、湖水の水位が変化したり、魚が死んだりすることもあります。

●鳴動・空振
山の方から爆発音が聞こえたり、衝撃波が伝わってきてガラス窓の震動音が聞こえることがあります。

●火映
赤熱した溶岩の光や火山ガスが燃える光が上空の雲で反射して山頂部が赤く見えることがあります。

●動物の異常行動
山に住む動物は上に述べたような異常事態を感じて山から逃げ出してくることがあります。

異常現象を発見したら

駒ヶ岳の火山活動に関して異常現象を発見した人は、そのことを電話等の早い方法で各町役場または警察署・警察官駐在所及び各町消防本部(署)・消防分団・気象台に連絡してください。

・森町役場      01374-2-2181
・森町砂原支所    01374-8-3111
・鹿部町役場     01372-7-2111
・函館市南茅部支所  01372-2-5111
・七飯町役場     0138-65-2511

・函館海洋気象台   0138-46-2212
・札幌管区気象台(火山監視・情報センター) 011-611-6125

・森町消防本部    01374-2-2125
・森町消防署砂原支署 01374-8-2156
・鹿部消防署     01372-7-3331
・函館市東消防署南茅部支署 01372-3-3101
・七飯消防署     0138-65-2244

・森警察署      01374-2-0110
・函館中央警察署   0138-54-0110
・道警函館方面本部  0138-31-0110

情報提供:駒ヶ岳火山防災会議協議会