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大沼の島についてのご質問を頂きました

先日まるごと大沼宛に大沼の島についてのご質問を頂きました

なぜ大沼・小沼には島が多いのかというご質問でした。

それには先ずどのように島が作られたかをご説明しなければなりません。

 

島の成り立ちは 5パターンあります
 
・駒ケ岳が噴火の際に噴出した噴出物が体積しできたもの、これは地質学で流山(ながれやま)と呼ばれます、この島の面白い特徴は駒ヶ岳側に面している方向が切り立っており反対側が緩やかな傾斜になっている所です、爆風を受けた面が切り立っていると言う事になります、地質学上大変おもしろい素材になり、どの方向からどれだけの力が加わったのかが研究できる貴重なものとなります、大沼近辺の農家の田んぼ畑の中にもこのような流山が存在しています。
 
・大沼・小沼の湖畔には葦(よし)が多く繁殖しております、葦は湖底に根を張り自分の生息域を広げて行きますが、広げている最中に台風や強い風・強い波等の影響で浮き上がって本体から切り離されてプカプカと浮遊するものができます浮島です大きなものですとなかなか頑丈に出来ておりますそれが浅瀬に引っかかりそこで根を湖底にがっちり張り島に成長して行くものも多くあります。
 
 
・これも葦等植物による島の出来方なのですが、大沼は入り込んでいる川がありますが出て行っている川の水がほとんどありません、これは大沼小沼の水利権が北海道電力が所有しており(日本の河川はほとんどの物が電力会社・製紙会社が水利権をもっております)電力の消費の激しい時に一気にくみ上げる為に
水の多いときと少ないときの変化が1m以上発生いたします、少ないときに植物が発生して水に埋まるこれを繰り返しているうちに浅瀬ができ島となります。
 
 
・大沼では大きな川が2本ほど流れ込んでおります 宿野辺川(シュクノベガワ)軍川(イクサガワ)その他小さな川・湧き水等から大沼小沼に水が供給されております。川が運んでくる土砂により島ができます砂州ですね
 
 
・大沼・小沼は元々川であったものが駒ケ岳の噴火によりせき止められ作られた堰止湖となりますそれゆえに、湖畔の入り組んだ地形などが多く見られます、水が浸食する際に低い所は水没し高い所は島となって残ったものがあります。
 
 
以上の5パターンが考えられます。
 
面白いのは島を構成している中身なのですが、流山は火山灰に薄く表土がありますそこに木が茂っております大沼で最も多い島です、植物が作った島は基本的に砂が核になっています、秋・冬に枯れ堆積し土を作って行っております。
元々あった地形の島は中身は黒土です、しかし掘り下げてまいりますと火山灰に到達いたします、やはり大沼は駒ヶ岳の噴火と言うものに相当左右されて出来上がっている地形であることは間違いありません。
 
・堰止湖であること
・水深が浅いこと
・火山の影響を受けやすい事
・駒ケ岳の噴火力が大変大きなこと
・噴出物が多かった事(雲仙普賢岳が噴火してから終結するまでに出した噴出物 を一晩で出す山です)
・元々の地形(水に埋まる前)が変化のあるものであったこと(これは何回もの噴火で地形が変わっていったと考えられます
  等の原因により島が多く見られます
大沼に島が多いのは以上の理由によるものが大きく関係しているものと思われます
 
大沼に関心を持って頂きありがたいご質問でありました。
小さなことでも大きな事柄でもなにか疑問に思った事や不思議に思ったことをどんどんお寄せください。
そしてまた大沼の地に足を向けて頂ければありがたく思います。
 

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自然公園指導員 金澤 晋一

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