トップページ 大沼自然情報 大沼日記 お店の新着ニュース まるごと大沼 大沼トピックス

2009年2月アーカイブ

近やたらと忙しい。
 
 
まあ、世の中に不況の嵐が吹き荒れていることを思えば、有り難いことかもしれない。


午後からの仕事を終えて帰ったのは夜8時頃だった。

嫁はんがいれば家の中は既に暖かいが、今は外国で仕事の研修中だ。さすがに無人の家を暖房しておくわけにゃいかん。寒々とした家でまずストーブを点け、すぐには暖まらんのでファンヒーターも点け、台所で晩飯の支度にかかる。
そしてトイレに行き、水面に氷が張っていないことに安心しながら用を足し、流しレバーを回す。

・・・・・水は流れたが、その後タンクに給水する音がしない。

しもた!もう凍結してもうたか!
外気温は-5℃。台所やボイラーはこの程度なら大丈夫だが、家の端っこにあるトイレはこの時間で凍ってしまったようだ。無人で数時間も使われていないからか・・・。

北海道など北国では、冬場に何もしないと水道が凍結し、翌朝には水が出なくなってしまうことがよく起こる。特に私の住んでいる家のような古い住宅になると尚更だ。

よって寝る前には水道の水抜き栓を操作して、管に残っている水をすべて地中に流してしまう「水落とし」という作業をしなければならない。これはトイレに限ればレバー二つの操作で済む話だが、まさか真夜中になる前に凍結してしまうのは予想していなかった・・・。

とりあえず、風呂の残り水もあるし、翌朝暖かくなったらファンヒーターで暖めるか。


そして翌朝。だいぶ日が昇ってからトイレに行き、レバーを上げる。
・・・やはり流れん・・・。
トイレで1時間ほどファンヒーターで配管に熱風を当てる。
・・・それでも流れん・・・。


ここでようやく事の重大さに気がついた。

この時間になって、これだけ暖めても融けんということは、床下でかなり大規模に凍結しているということだろう。
ということは、このまんま夜になったら中途半端に融けた部分も更に凍ってしまう。

凍って融けてを繰り返したら、やがて管が破裂するのは私みたいな素人でも予想が付く。何とかせんと・・・。

一瞬色めきだったが、こういう時のために「解氷機」というのが存在するのを思い出した。しかも知り合いが持っている筈だ。それが使えるなら水道屋さんを呼ばなくて済む。それで直りますように・・・!

「やっちまったねぇ~。朝になったら融けるなんて甘いな。凍ったらすぐにやらねと破裂さすぞ~」
二つ返事で貸してくれ、使い方も教えてくれた。感謝!

パイプの床から出ている部分と、水抜き栓とをクリップで挟む。この間で電気を流して水道管を発熱させ、氷を融かすらしい。何とも便利なもんがあるもんや・・・。コンセントに繋ぎ、スイッチオン!

IMG_1952.jpg

「ブーン!」という大きな音。すると1分もしないうちに、ガラガラと氷混じりの水が噴き出してきたではないか!

凄い・・・。やはり「餅は餅屋」というべきか。数時間の苦労と心配が、ものの1分足らずで解決したのだった。
この小さな機械と、これを貸してくれた知り合いに後光が差していた。

古い家に住むなら気をつけましょう。
 
(元大阪人A.O)

ス欠になってしまった。

と言っても、クルマではない。


ライフライン(同じく、クイズミリオネアではない)の中で、優先順位を挙げるとしたら、どの順番になるだろう?
恐らく都会なら、

1=水、2=電気、3=ガス、4以下=灯油

という順番になるはずだ。実際、料金を滞納したら、ガスから順番に止まってゆくという話を聞いたことがある。


しかしながら、大沼のような雪国では、冬限定で

1=灯油、2=電気、3=水、4以下=ガス

ほとんどの世帯で、この順番になるはずだ。


水なら、雪を融かせばよい。それに、ほとんどの家はガスなら調理、電気なら照明にしか使っていないから、何とかなる。
しかし灯油がなくなったらどうなるか?

待っているのは凍死である(最悪の場合だが)。



雪国の家の横には必ずと言っていいほど、でかい灯油タンクが据え付けられている。400リッター以上入る巨大な物だ。そしてそこから細いパイプが家の中に延びて、各ストーブやボイラーに直接給油する仕組みになっているのだ。ポリタンクなどを使う必要がない。

ここの灯油で、家の暖房と給湯を賄っている。それらをガスや電気に頼っている家はかなり少ない。
特に大沼のような田舎になると、ガスはプロパンになるから高いし、電気だと氷点下数十度の条件ではまったく力不足で、やっぱり経済的かつ信頼できるのは灯油ストーブと灯油ボイラーということになるらしい。


昨日、事もあろうにその灯油タンクをガス欠にさせてしまったのだ。


我が家の暖房を司る煙突ストーブの燃えが悪くなってきたことに気付いたのが夜。まさかと思って外のタンクをチェックしてみると、ヤバい!ゲージが一番下に行っとるやんけ!!

そう言えば最近灯油の値下がりが進んでいるので、ケチって100リッター程度ずつしか入れてなかったのだった。それを忘れていた・・・。

さて、どうするか。ポリタンクを持って24時間ガススタに行けばしのげるが、車で片道20分も走らなければならない。往復40分+寒い外でポリタンクの灯油を据付タンクに移すという労働=却下、だ。どっちにしろ明日の朝一で灯油配達を呼ぶことになるのだから。

幸いにも今晩は凍死するほど寒くはないし、ポータブルストーブにはまだ灯油が残っているから、これで居間だけならしのげるぞ。

意を決して(というほど大袈裟でもないが)、今晩は居間で寝ることにし、風呂は諦める。
ポータブルストーブは煙突ストーブと違って換気ができんので、ドアだけ少し開けておこう。凍死は免れても一酸化炭素中毒になったら目も当てられぬ。


2009_0212_085917.jpg

結局、無事に次の朝は迎えることが出来た。
 
「急いで来て~!」といつものガススタに電話すると、その声がよっぽど切羽詰まっていたのか、配達のおっちゃんは30分くらいで来てくれた。いつもなら1時間以上は待たされるのだが、助かった!

「ありゃ~、やっちゃったねえ~。ホントにカラだよ。パイプにエアかんでるかもね。エア抜き出来るかい?まあ、満タンくらい入れりゃ押し出されてくるだろうけどね。リッター63円で底値だろうけどどうする?」

はい。満タンにさせて頂きます。これから一番寒い2月を乗り切らねばならんのだから。


北国の事情がまたひとつ、思い知らされた。
 
 
(元大阪人A.O)
1
まるごと大沼 トップページ