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雪国のライフライン

ス欠になってしまった。

と言っても、クルマではない。


ライフライン(同じく、クイズミリオネアではない)の中で、優先順位を挙げるとしたら、どの順番になるだろう?
恐らく都会なら、

1=水、2=電気、3=ガス、4以下=灯油

という順番になるはずだ。実際、料金を滞納したら、ガスから順番に止まってゆくという話を聞いたことがある。


しかしながら、大沼のような雪国では、冬限定で

1=灯油、2=電気、3=水、4以下=ガス

ほとんどの世帯で、この順番になるはずだ。


水なら、雪を融かせばよい。それに、ほとんどの家はガスなら調理、電気なら照明にしか使っていないから、何とかなる。
しかし灯油がなくなったらどうなるか?

待っているのは凍死である(最悪の場合だが)。



雪国の家の横には必ずと言っていいほど、でかい灯油タンクが据え付けられている。400リッター以上入る巨大な物だ。そしてそこから細いパイプが家の中に延びて、各ストーブやボイラーに直接給油する仕組みになっているのだ。ポリタンクなどを使う必要がない。

ここの灯油で、家の暖房と給湯を賄っている。それらをガスや電気に頼っている家はかなり少ない。
特に大沼のような田舎になると、ガスはプロパンになるから高いし、電気だと氷点下数十度の条件ではまったく力不足で、やっぱり経済的かつ信頼できるのは灯油ストーブと灯油ボイラーということになるらしい。


昨日、事もあろうにその灯油タンクをガス欠にさせてしまったのだ。


我が家の暖房を司る煙突ストーブの燃えが悪くなってきたことに気付いたのが夜。まさかと思って外のタンクをチェックしてみると、ヤバい!ゲージが一番下に行っとるやんけ!!

そう言えば最近灯油の値下がりが進んでいるので、ケチって100リッター程度ずつしか入れてなかったのだった。それを忘れていた・・・。

さて、どうするか。ポリタンクを持って24時間ガススタに行けばしのげるが、車で片道20分も走らなければならない。往復40分+寒い外でポリタンクの灯油を据付タンクに移すという労働=却下、だ。どっちにしろ明日の朝一で灯油配達を呼ぶことになるのだから。

幸いにも今晩は凍死するほど寒くはないし、ポータブルストーブにはまだ灯油が残っているから、これで居間だけならしのげるぞ。

意を決して(というほど大袈裟でもないが)、今晩は居間で寝ることにし、風呂は諦める。
ポータブルストーブは煙突ストーブと違って換気ができんので、ドアだけ少し開けておこう。凍死は免れても一酸化炭素中毒になったら目も当てられぬ。


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結局、無事に次の朝は迎えることが出来た。
 
「急いで来て~!」といつものガススタに電話すると、その声がよっぽど切羽詰まっていたのか、配達のおっちゃんは30分くらいで来てくれた。いつもなら1時間以上は待たされるのだが、助かった!

「ありゃ~、やっちゃったねえ~。ホントにカラだよ。パイプにエアかんでるかもね。エア抜き出来るかい?まあ、満タンくらい入れりゃ押し出されてくるだろうけどね。リッター63円で底値だろうけどどうする?」

はい。満タンにさせて頂きます。これから一番寒い2月を乗り切らねばならんのだから。


北国の事情がまたひとつ、思い知らされた。
 
 
(元大阪人A.O)
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